粒から細胞へ
ナツミカンの発生を観察した研究では、内果皮の表皮だけでなく表皮下の細胞も分裂し、内部を持つ砂じょうが発達することが示されています。粒が育つ過程と、内部細胞の液胞の発達を分けて考えると理解しやすくなります。
土佐文旦では、粒の大きさ・形・硬さ・離れやすさが食感につながります。ただし、今回土佐文旦について粒の寸法や細胞数を直接計測したデータは収録していません。ナツミカンの観察をそのまま土佐文旦の顕微鏡計測値にはしません。
「房」の意味も異なる
文旦の房は一個の果実内部の区画です。ぶどうの房は複数の果実が集まったものです。粒という日常語も、ぶどうの一果と文旦の砂じょうで階層が違います。
写真で見る
写真で見る文旦の実と果肉

黄色い実と、薄皮をむいた果肉。房の形と、果肉をつくる粒の集まりを見ることができます。
薄皮をむいた実写で粒の集まりを見る

薄皮を取り除いた果肉が房の形を保って並び、表面に細長い砂じょうの集まりが見えます。
高知県土佐市から農園直送公式通販で土佐文旦を見る →この先の章
この章の根拠・さらに詳しく
- R09|ナツミカン果実の毛状体の起源と発生著者抄録・書誌確認
- S09|文部科学省|食品成分データベース ぶんたん・砂じょう・生 ↗可食部100gの代表値。土佐文旦や自園商品だけの実測値ではない。
中国の果肉色研究にも水晶文旦が含まれる
中国・西南大学柑橘研究所の2023年の論文は、100系統の文旦の果肉色と遺伝的変異を比較しています。材料表40番には「水晶文旦/Suisyo Buntan」があり、白肉群に分類されています。色差計の測定とGBSによる遺伝子型情報を使った集団解析です。
研究全体では果肉色と関係する候補領域を探し、候補遺伝子の発現も一部の系統で調べています。水晶文旦の白い果肉という分類は確認できますが、同品種のカロテノイド量や、特定遺伝子だけで透明感が決まることまで示した結果ではありません。砂じょうの見た目、色素の量、食感はそれぞれ別の測定項目です。





