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生姜の内部組織

食べる根茎を切ると、肉眼では一続きの中身に見えます。顕微鏡では外側の保護組織、貯蔵する細胞、物質を運ぶ維管束などを区別できます。

編集:やの一果彩 | 公開・更新:2026年10月9日

外側から内側へ

下の顕微鏡写真は、インドの品種「Ashwathy」の根茎を染色して観察したものです。外側の保護組織から内側の維管束や貯蔵細胞まで、根茎のつくりをたどれます。出典はChittaragiらによる2022年の研究、図4です。

生姜根茎の横断面とコルク層、維管束、油細胞、でんぷん粒の顕微鏡写真。論文の図4、AからI
生姜根茎の横断面と拡大像(原図4・A~I)。©2022 Dharini Chittaragi, Jalaja S. Menon, Anoop E. V. / PLOS ONE、CC BY 4.0。原図を無改変で掲載。図の原資料。画像を押すと拡大できます。

資料:Chittaragi ほか(2022):根茎の組織観察

組織名と図中の略号

日本語・英語図の略号位置と読み方
コルク層/corkck外周を保護する組織。図Dで層状に並ぶ細胞が見えます。
皮層/cortexct内皮より外側に広がる領域。柔組織や維管束などを含みます。
内皮/endodermisend皮層と内側の領域の境界に位置する細胞層。図B・F。
内鞘/pericycleperc内皮の内側に接する組織。図B・Fに表示。
中心柱/stele中央領域内皮より内側の領域。柔組織の中に多数の維管束が散在します。
皮層の維管束/cortical bundlecb皮層内にある維管束。
中心柱の維管束/stelar bundlesb中心柱側にある維管束。
木部の道管/xylem vesselxv維管束の中で水などの輸送に関わる部分。図E・G。
師部/phloemph光合成産物などの輸送に関わる組織。
繊維/fibref厚い細胞壁をもつ支持に関わる細胞。図Eなど。
柔組織/parenchyma周囲の細胞根茎の大きな体積を占め、貯蔵にも関わる組織。
でんぷん粒/starch grainsg細胞内の貯蔵物質。図Iで粒として観察。
含油樹脂細胞/oleoresin celloc分泌・貯留する内容物が観察される細胞。図H。
油滴/oil globuleog油状の内容物。図Hに表示。

資料:Chittaragi ほか(2022):根茎の組織観察 / Liu ほか(2020):葉と根茎の形態解剖

A~Iを順に読む

  • A:根茎断面の全体像。まず外周と内側の広がりを見ます。
  • B・F:皮層と中心柱の境目。内皮と内鞘の位置を追います。
  • C:中心柱の中。維管束が散在する様子に注目します。
  • D:外周のコルク層。
  • E・G:維管束の拡大。木部・師部・繊維の位置を見ます。
  • H:含油樹脂細胞・油滴。
  • I:でんぷん粒。

顕微鏡像の比較では、拡大率だけでなく各写真のスケールバーを使います。同じ画面幅に表示した二つの画像でも、実際の大きさが同じとは限りません。

台所の「皮」「筋」との対応

生姜の表面には保護組織があり、その内側には貯蔵や輸送を担う組織が広がっています。調理で表面をこそげる場合と、包丁で厚くむく場合では、取り除く組織の範囲が変わります。

筋っぽい食感には、繊維性の組織やその配置、成熟度、切る方向、調理方法が関わります。繊維を断つ方向に切ると、筋を短くできます。栄養成分表の「食物繊維」は食品分析で測定される成分で、組織の観察とは異なる角度から生姜の特徴を表しています。

資料:Liu ほか(2020):葉と根茎の形態解剖 / 文部科学省:しょうが/根茎/皮なし/生

品種や貯蔵による組織の変化

根茎は収穫後も生きており、貯蔵中には芽や組織の状態が変化します。この研究では、貯蔵した種根茎を顕微鏡で観察しています。組織の姿には品種、採取する位置、成熟度、貯蔵条件による違いがあるため、写真の説明と試料の条件を合わせて読むと理解が深まります。

組織に含まれる成分を、栄養表と化学分析から読む

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