YANOITI · GINGER LIBRARY
生姜の成分と栄養
生姜の辛みをつくるジンゲロール、香りに関わる精油成分、根茎に蓄えられたでんぷん。代表的な成分の特徴と、食品成分表に基づく栄養を紹介します。
辛みの成分と、香りの成分
| 区分 | 代表例 | 読むときのポイント |
|---|---|---|
| 辛みに関わる成分 | 6-、8-、10-ジンゲロール、対応するショウガオールなど | 6・8・10の番号は、側鎖の長さが異なる化合物を区別する表記です。 |
| 香りに関わる揮発性成分 | ジンギベレン、β-セスキフェランドレン、β-ビサボレンなど | 鼻で感じる香りは複数成分の組み合わせ。含有率だけで好ましさや強さは決まりません。 |
| 貯蔵・構造に関わる成分 | でんぷん、糖、細胞壁を構成する物質 | 根茎の生育・貯蔵・食感とつながります。 |
| 一般栄養成分 | 水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル | 食品成分表では可食部100gを基準に、水分や栄養素の量を示します。 |
資料:Jung ほか(2018):加熱によるジンゲロールの変化 / Abu Dhabi保健当局:Zingiber officinale / 文部科学省:しょうが/根茎/皮なし/生
「精油」は蒸留などで得られる揮発性の香り成分を中心としたものです。「オレオレジン」は、揮発性と非揮発性の両方の成分を含む抽出物です。生の根茎、乾燥粉末、精油、抽出物では、水分量や含まれる成分の割合が異なります。
食品成分表:皮なしの生の根茎100g
文部科学省の食品番号06103「しょうが/根茎/皮なし/生」に基づく標準値です。皮を除いた可食部100g当たりの値と、少量使う場合の参考として5g当たりの計算値を掲載しています。実際の成分量は品種や栽培・貯蔵条件で変わります。
| 項目 | 100g当たり | 5gの計算例 |
|---|---|---|
| エネルギー | 28 kcal | 1.4 kcal |
| 水分 | 91.4 g | 4.57 g |
| たんぱく質 | 0.9 g | 0.045 g |
| 脂質 | 0.3 g | 0.015 g |
| 炭水化物 | 6.6 g | 0.33 g |
| 食物繊維総量 | 2.1 g | 0.105 g |
| カリウム | 270 mg | 13.5 mg |
| カルシウム | 12 mg | 0.6 mg |
| マグネシウム | 27 mg | 1.35 mg |
| 鉄 | 0.5 mg | 0.025 mg |
| マンガン | 5.01 mg | 0.2505 mg |
| ビタミンB6 | 0.13 mg | 0.0065 mg |
| 葉酸 | 8 µg | 0.4 µg |
| ビタミンC | 2 mg | 0.1 mg |
表の「炭水化物」と「利用可能炭水化物」は、分析・計算方法が異なる項目です。栄養を比べるときは同じ項目・同じ重量を基準にします。薬味として使う量を量っておくと、日々の料理に含まれる栄養量の目安が分かります。
加熱すると、何が変わる?
ジンゲロールから水分子が外れる反応でショウガオールが生じます。加熱・乾燥を扱う分析研究では、その変化が温度、時間、水分、加熱方式、試料の形で異なることが示されています。
| 調べる条件 | なぜ必要か |
|---|---|
| 生・乾燥・粉末 | もともとの水分と表面積が違うため |
| 湿熱・乾熱、設定温度と時間 | 試料が受ける熱や反応条件が違うため |
| 測定対象 | 6-ジンゲロールだけか、8-・10-なども測ったかで結果の範囲が違うため |
| 重量の基準 | 生重量1gと乾燥重量1gをそのまま比較できないため |
資料:Jung ほか(2018):加熱によるジンゲロールの変化 / Ghasemzadeh ほか(2018):乾燥条件とショウガオール
加熱による成分の変化は、調理温度や時間、水分量によって異なります。ここで紹介する研究は成分分析を扱ったものです。人の健康への作用は、人を対象にした研究から検討されています。
成分量が変わる条件
生姜の成分量は、品種、成熟度、根茎の部位、収穫後の時間、保管温度などによって変わります。乾燥すると水分が減るため、生の根茎と乾燥品では、同じ1g当たりの数値でも意味が異なります。
香りや味は複数の成分の組み合わせで生まれます。成分分析はその量や種類を、人が味わう官能評価は香り・辛さ・食感を調べる方法です。両方を合わせることで、食材としての特徴を詳しく知ることができます。





