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南北アメリカ・太平洋の文旦
導入された文旦が保存・選抜・育種に使われた経路を、大学の系統記録から辿ります。
アメリカ:導入資源から育成へ
Californiaの文旦育種は、海外から導入した系統の来歴と合わせて読むと理解しやすくなります。Chandler、Reinking、低酸のSiamese Sweetを入口に、文旦同士の交配と文旦を使った種間交雑を区別します。
出典:UC Riverside|Chandler pummelo(CRC 3244) / UC Riverside|Reinking pummelo(CRC 3805) / UC Riverside|Siamese acidless pummelo (CRC 2240)(CRC 2240)

撮影場所は生産地ではない。品種・産地・色素濃度は写真から同定しない。
ハワイと太平洋:名前と採集履歴を分ける
| 記録 | たどれる事実 |
|---|---|
| Moanalua / CRC448 | 1914年HonoluluのMoanalua Gardens由来。Tahitianとの同義説と、後年の違いの観察が共存する。 |
| Hawaiian / RRUT143 | 2000年導入だが、採集地のラベルの確実性に留保。名称だけでハワイ原産とはしない。 |
| Haiku B / CRC3940・Pauthel / CRC3949 | いずれも1984年ハワイ由来の導入記録。親や細かな特性の確認は限られる。 |
| PNG / CRC3282 | Port Moresby経由、Jimmi River Valley高地採集という履歴。 |
| Australia / CRC3066・3067 | 1954年NSWからSour・Sweetの名で導入。名前と観察された酸味が一致しない例。 |
出典:UC Riverside|Moanalua pummelo(CRC 448) / UC Riverside|Hawaiian pummelo(RRUT143) / UC Riverside|Haiku B pummelo(CRC 3940) / UC Riverside|Pauthel pummelo(CRC 3949) / UC Riverside|Unnamed pummelo (CRC 3282)(CRC 3282) / UC Riverside|Sour pummelo(CRC 3066) / UC Riverside|Sweet pummelo(CRC 3067)
南米・カリブの分布を読む
Kewの導入域にはBolivia、Cuba、Dominican Republic、Haiti、Jamaica、Puerto Rico、Trinidad–Tobago等が含まれます。これは各地の現行品種・生産量を示す表ではありません。国ごとの品種・栽培面積・歴史を語るには、その国の資料を追加で照合する必要があります。
高知県土佐市から農園直送公式通販で土佐文旦を見る →オーストラリアで供給リストに載る文旦
2026年10月6日に確認したAuscitrusの穂木品種一覧には、Pomelo Nam RoiとPomelo Watson’s Choiceが掲載されています。1954年の保存系統の導入記録に加え、現在の増殖材料の名称を調べる入口になります。
穂木の掲載は、その品種のオーストラリア原産、栽培面積の大きさ、流通量の多さを意味しません。育成履歴や果肉の特性は、供給リストとは別の品種資料で確認する項目です。
根拠・原資料:Auscitrus|Budwood varieties
アメリカ:HLBへの「耐病性」と感染しないことの違い
フロリダ大学の2026〜2029年版柑橘生産ガイドは、HLB(カンキツグリーニング病)について、文旦に比較的耐える性質が見られる場合でも、重い症状を示す例があると説明しています。耐病性は免疫と同じではありません。
現地ではミカンキジラミが病原細菌を媒介します。葉の左右非対称な斑紋などは手掛かりですが、栄養障害との区別や感染の確定には検査が必要です。健全な増殖材料と媒介昆虫への対策を合わせて考えます。これは海外の病害研究の紹介で、高知の当園での発生を示すものではありません。
根拠・原資料:UF/IFAS|2026–2029 Florida Citrus Production Guide: Huanglongbing
ブラジル:文旦を使う細胞融合と台木育種
Calixtoら(2004)は、スイートオレンジHamlinと、文旦Indian RedおよびSingapuraの細胞を組み合わせ、体細胞雑種を作りました。細胞壁を除いた細胞を融合し、胚から植物を再生する方法です。
再生個体は染色体数2n=4x=36、DNAマーカー(RAPD)などで確認されました。台木育種への利用を目指す研究で、得られた個体の耐病性や商業的な優秀性が全て確定したという報告ではありません。
ポルトガル語資料の「pomelo」にはグレープフルーツを扱うものもあります。世界の文旦を調べるときはCitrus maxima/C. grandisか、C. paradisiや交雑種かを学名で照合します。
根拠・原資料:Calixtoほか(2004)|Somatic hybridization between Citrus sinensis and Citrus grandis




