露地土佐文旦では冬の収穫後に貯蔵を経て出荷する流れがあります。高知県果樹試験場の紹介は12月下旬〜1月上旬の収穫、JA高知県の紹介は主な出荷を1〜4月としています。
温室土佐文旦は栽培方法が異なり、露地物とは別の出荷時期になります。水晶文旦は別品種です。「秋の文旦=すべて水晶」「温室ならすべて同じ味」とまとめません。
この図書館の時期は一般的な解説です。通販の予約開始日・発送期間は、その年の商品案内で管理します。食べ頃を決めるときも、収穫後の経過と実際の果実の状態を確認します。
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この章の根拠・さらに詳しく
- S01|高知県果樹試験場|高知の特産カンキツ類 ↗土佐文旦の導入年1927説、収穫と野囲い、小夏・水晶文旦等。2012年掲載。
- S03|JA高知県|土佐文旦・水晶文旦出荷時期・食感・保存、1929年植樹と1941年高接ぎの歴史。
収穫月・出荷月・食べ頃を分けた早見表
| 区分 | 収穫・流通の読み方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 露地の土佐文旦 | 高知県の資料では12月下旬〜1月上旬に収穫。JAの県産品紹介では出荷期を1〜4月とする。 | 貯蔵後に出荷するため、販売月を収穫月としない。 |
| 施設の土佐文旦 | JA高知県の紹介では温室文旦の出荷は10〜12月。 | 加温方法や園地で前後する。 |
| 水晶文旦 | JA高知県の紹介では10〜12月の出荷。 | 土佐文旦の秋物というだけでなく、品種自体が異なる。 |
| 家庭に届いた後 | 収穫・貯蔵・配送を経た現在の状態で判断する。 | 届いてから一律に何週間待つ、と固定しない。 |
品種の成熟期、産地全体の出荷期、店舗の予約開始・発送予定は別の情報です。品種を調べるページの月表を、やの一果彩の当年の販売日程として使わないようにし、販売日程は公式通販の案内で確認します。酸味の感じ方には糖酸比や好みも関わります。
根拠・原資料:高知県果樹試験場|高知の特産カンキツ類 / JA高知県|土佐文旦・水晶文旦 / 土佐文旦の長期貯蔵試験
水晶文旦の10月収穫:加温と水管理で何が変わるか
高知県果樹試験場は、2015~2017年度の研究で、10月下旬に収穫する作型の温度・水管理を検討しました。満開の目安は3月末~4月初め。加温開始は夜温14℃設定なら2月下旬、18℃なら3月初めという管理指標です。
| 節水開始の目安 | 資料が示す果実の大きさ | 糖度計示度 | クエン酸含量 |
|---|---|---|---|
| 満開後140日ごろ | 4L級・約680g | 11.5以上 | 1.3g/100mL未満 |
| 満開後100日ごろ | 2L級・約480g | 13.5以上 | 1.3g/100mL以上 |
節水を早めると糖度は高まる一方、小玉化と酸高を伴った点が重要です。初期肥大期の満開後30~110日は15mm程度を2~3日おきにかん水した試験があります。開花中の夜温18℃以上、日較差約10℃も示されています。かん水量と節水の程度は園地の土壌・排水・果実分析で調整する指標で、当園の栽培実績や商品の規格値ではありません。
高知県土佐市から農園直送公式通販で土佐文旦を見る →温室土佐文旦:施設栽培の歴史と加温試験
JA高知県の産地史では、ハウス栽培は1978年に野市町で無加温栽培から始まり、その後は土佐市を中心に加温栽培が行われるようになりました。「温室」は作型を表す言葉で、水晶文旦という品種名と同じ意味ではありません。
Susanto・Nakajima(1990)はカラタチ台の3年生土佐文旦を用い、冬の最低/最高温度5/25℃、10/25℃、10/35℃と被覆の扱いを比較しました。加温は開花を早めましたが、高温区では大きな洋梨形、果梗側の首、厚い果皮、中心部の組織の崩れが見られ、12月末の果汁の可溶性固形分とクエン酸は低くなりました。
つまり、温度は収穫の早晩だけでなく、果形・果皮・果肉の発達にも関係します。温室なら必ず糖度が高いとは言い切れず、この試験にも被覆管理の違いがあります。現在の施設栽培全体の平均値として読むものではありません。
根拠・原資料:Susanto・Nakajima(1990)|Effect of Winter Heating on Flowering Time, Fruiting and Fruit Development in Pummelo Grown under Plastic House / JA高知県|土佐文旦・水晶文旦
水晶文旦の9月収穫:早期加温と台木の技術史
1994年度の高知県の成果は、無毒化した水晶文旦をカラタチ台に接ぎ、9月中下旬に収穫する作型を示しています。タターリーフウイルスの問題でカラタチ台を使いにくかった経緯に対し、無毒化と台木の組合せを活用した研究です。
| 管理項目 | 当時の試験に基づく目安 |
|---|---|
| 被覆と加温 | 12月中旬に被覆し、12月20日ごろ加温開始。 |
| 夜温 | 開花終了まで17℃、その後14℃。 |
| 日中の上限 | 生理落果終了まで28℃。 |
| 水分ストレス開始 | 満開後110〜140日・果実横径約9cm。 |
果肉の成熟が果皮の着色に先行するため、黄色の濃さだけで収穫を判断しません。これは1984〜1993年の研究に基づく9月作型で、後年の10月収穫作型とは加温時期・目標を分けて比較します。
水晶文旦の海外保存記録
水晶文旦は緑色の皮でも食べ頃になる
JA高知県は2023年の出荷期案内で、水晶文旦は出始めに薄緑色の果皮でも内部は食べ頃で、黄色くなるまで置く必要はないと説明しています。外側の緑色と果肉の成熟は同じ指標ではありません。
一般の収穫・出荷案内と、特定の収穫果の酸戻りや減酸を調べた貯蔵試験は目的が異なります。水晶文旦の酸戻り・貯蔵条件の研究と併せて読むと、果皮色だけで保存期間を決めない理由が分かります。
根拠・原資料:JA高知県(2023年9月22日)|水晶文旦が旬を迎えました







