
やの一果彩の文旦の記録です。丸い変色部分のほか、上中央の果実には流れるような褐色のシミが見られます。この流れ状のシミの病名は、写真だけでは確定していません。
日焼けとは
日焼けは、高温などによって果皮に起こる生理障害です。こうした症状の出た果実は「日焼け果」と呼ばれます。カンキツの研究では、果実の表面が高温にさらされることで、果皮の変色や硬化が起こることが報告されています。[1]
園主が日焼けの跡として見ている部分と、流れ状のシミを分けて観察することが、果皮の状態を理解する手がかりになります。
流れ状のシミと「さび果」「涙斑型」
茶色い跡が流れたように見える場合、関係する病名として炭疽病と黒点病があります。形が似ることもあるため、「流れている」という見た目だけでは区別できません。[2]
炭疽病(たんそびょう)による「さび果」
カンキツの炭疽病による果皮の症状は「さび果」と呼ばれ、資料では「炭疽病(さび果)」や「炭疽病(さび果病)」と表記されています。細かな褐色~赤褐色の斑点が生じ、発生が激しい場合には、涙が流れたような形になることもあります。[2][3]
黒点病(こくてんびょう)の「涙斑型」
黒点病にも「涙斑型(るいはんがた)」という症状があります。病原菌の胞子を含む雨滴が果実の表面を流れ、その通り道に黒点が集まって生じるものです。[4]
この写真の流れ状のシミを、炭疽病と断定したものではありません。ここでは、似た見え方をする症状の正式な呼び方を整理しています。
果皮を観察するときのポイント
跡の形や広がりに加えて、細かな点が盛り上がっているか、触れたときにざらつきがあるか、樹上で見られたのか収穫後に現れたのかも、状態を伝える手がかりになります。病名を確かめるには、実物や発生の経過も合わせて確認します。
果皮の跡と果肉の状態は別に見ていく必要があります。果皮の組織については、黄色い果皮・油胞・果皮油のページで紹介しています。
参考資料
- [1]山口県農林総合技術センター:カンキツに発生する日焼け果の発生実態および要因の解明と軽減対策2019年度の研究成果。日焼けの発生要因に関する一般知見として参照。
- [2]田代暢哉:カンキツ病害図鑑(クミアイ化学)「炭疽病(さび果病)」および「黒点病」の症状解説。
- [3]熊本県:カンキツの病害虫防除資料「炭疽病(さび果)」の名称を確認。
- [4]こうち農業ネット:かんきつ 黒点病2012年10月16日。「涙斑型」の症状を参照。
資料確認:2026年10月9日。これらの資料は一般的な症状の説明であり、掲載写真そのものの診断結果ではありません。






