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南アジアの文旦:改良品種と地域の記録
インド、バングラデシュ、スリランカの公的資料を、現地名と品種番号を残して整理しました。
インド:研究機関が育成した品種
| 品種 | 特徴・資料の記載 | 確認範囲 |
|---|---|---|
| Arka Chandra | ICAR-IIHRの選抜品種。2020年年報では白系果肉、0.8~1.0kg、11~12°Brix、酸度0.89%。政府紹介には系統18からの選抜18-5という履歴。 | 育成・特性確認 |
| Arka Anantha | 2020年年報では桃色果肉、0.9~1.2kg、11~12°Brix、酸度0.9%。果重範囲は紹介資料間で異なるため、出典年を付けた参考値として扱う。 | 特性確認 |
| Pusa Arun | ICARの2026年紹介は2020年育成の自然変異由来、種なし、500~600g、12°Brixとする。登録原簿・独立した複数産地試験との照合は未了。 | 索引本文で確認 |
出典:ICAR Annual Report 2020|Horticulture / Crop Improvement / インド政府PIB|果樹品種の特性紹介(2024) / ICAR Indian Horticulture|Pummelo Fruit(2026)
これらの糖度・果重は、原資料の評価値です。流通するすべての果実や日本で育てた果実の規格値ではありません。

撮影地は投稿者の説明に基づく。品種と果実の成熟度は未同定。

アッサムという撮影情報と自生種の証拠は別。品種不明。
原題:Pomelo Citrus Maxima.jpg
原資料・画像の説明 / CC BY-SA 4.0
配信元の縮小版を保存。構図・色・内容の改変なし。
条件確認:2026年10月6日
バングラデシュ:BARIの改良品種
現地ではbatabi lebuなどの名称で知られます。番号を省略せずに記録すると、異なる選抜品種を区別できます。
| 品種 | 由来・特性 | 確認範囲 |
|---|---|---|
| BARI batabi lebu 1 | 国内の遺伝資源を評価・選抜し1997年に承認されたと政府資料に記載。 | 育成確認 |
| BARI batabi lebu 2 | 1997年承認。掲載値は750~780g、TSS11.35%、酸1.05%、淡赤系果肉、多種子。BARI1や全バングラデシュ文旦の値にはしない。 | 特性確認 |
| BARI batabi lebu 6 | 国内収集の遺伝資源からの選抜、2018年承認という記述を確認。未読の項目を2の数値で埋めない。 | 育成確認 |

品種不明。果実が枝に付く位置を観察する地域写真。BARI品種と同定しない。
スリランカ:Horanaの育成記録
| 品種 | 記録 | 確認範囲 |
|---|---|---|
| Horana pummelo 1 | 農業局の育成者紹介で確認。果重・糖度・果肉色・親組合せはこの出典からは確認できない。 | 名称・共同育成のみ確認 |
| Horana pummelo 2 | Horanaの果樹研究で共同育成された品種。1とは別名として保持し、未確認の特性を同一視しない。 | 名称・共同育成のみ確認 |
周辺地域への調査の入口
ネパール、ブータン、パキスタン等の在来系統は、この版では登録・原著記録の十分な照合に達していません。土佐文旦の呼び名「文旦」と国名Bhutanは無関係なので、音の似た名称から由来を結び付けません。
高知県土佐市から農園直送公式通販で土佐文旦を見る →Pusa Arun:育成機関の参考値を追加する
ICAR-IARIはPusa Arunを白肉・種なしの変異由来文旦として紹介しています。果重496.95g、果汁歩合41.13%、TSS12%、クエン酸相当の酸度0.39%という値が掲載されています。収穫は当地の10月第1週が目安で、デリー首都圏での商業栽培向けとされています。
先の紹介の500~600gという丸めた範囲と、育成機関のこの測定値を併記すると、資料ごとの表し方も確認できます。いずれも当地での紹介値で、紹介欄に個別の試験年は示されていません。
根拠・原資料:ICAR-IARI|Fruit and Horticultural Technology Achievements:Pusa Arun
2026年に発表されたArka Siva
ICARは2026年5月5日の公式発表で、ICAR-IIHRが育成した文旦Arka Sivaの発表を報じています。既存のArka Chandra・Arka Ananthaだけをインドの改良品種のすべてとして扱わず、新しい名称を追加します。
今回確認できた公式発表では、個別の成分値や交配・選抜の詳細までは確かめられません。発表済みという記録を先に掲載し、詳細な品種票との照合欄を残します。
インド北東部14系統:果肉・果汁・成分を分けて比べる
Rymbaiら(2025)は、標高約1,010mのメガラヤ州Umiamで、2021〜2023年に白肉4・赤肉10の計14系統を調べました。下表は原著表1・3の平均値を選んだもので、市販の全果実の保証値ではありません。
| 系統 | 項目 | 平均値 | 単位・対象 |
|---|---|---|---|
| RCCG-05 | 果肉割合 | 75.8 | % |
| RCCG-14 | 搾汁量 | 49.5 | mL/果肉100g |
| RCCG-07 | 可溶性固形分(TSS) | 11.1 | °Brix |
| RCCG-06 | ビタミンC | 97.6 | mg/果汁100mL |
搾汁量49.5は果肉100gから得たmLで、果汁の重量百分率へ読み替えません。果肉割合は抄録と本文表に差があり、表1のRCCG-05=75.8%を採用しました。原報にはSD・SEの記載揺れがあるため、ここでは誤差表示を省き平均値だけを示しています。
ネパールの文旦増殖:取り木を調べた研究
Paudyal(1998)は、ネパールの低地Terai(標高約72m)と中山間地(約1,000m)で、取り木による文旦の増殖を研究しています。検索収録抄録には、培地、処理時期、枝の日当たり・枝齢、母樹の年齢を比較したことが記されています。
取り木は、枝を母樹につないだまま発根させてから分離する増殖法です。種子から育てた実生の比較とは目的が異なります。この資料は抄録までの確認なので、全処理の発根率や日本向けの適期は確定していません。
バングラデシュ:果実の大きさ・可食部・TSSは一致しない
区分:海外・バングラデシュ / 原著の実測値・一部に本文との不一致
Chattogramの研究所で2019〜2020年に22系統を評価し、結実した10系統の果実形質を比較した原著です。下表は表2から5系統の一部の値を抜粋しています。
| 系統 | 果重g | 可食部% | TSS%(原表) |
|---|---|---|---|
| CG Pah 003 | 1330 | 46.84 | 10.23 |
| CG Pah 006 | 1500 | 57.60 | 9.28 |
| CG Pah 013 | 1826 | 56.96 | 8.63 |
| CG Pah 015 | 1050 | 68.00 | 6.86 ※ |
| CG Pah 020 | 730 | 51.37 | 10.73 |
※表にはCG Pah 015のTSSを6.86%と記載する一方、本文は最低値を別系統の7.04と説明しており、不一致が残ります。この値には確認印を付け、最低値ランキングは作りません。果皮厚にも本文と表の単位の違いがあります。また、結実数がごく少ない系統を含む単年度の比較です。系統名を一般流通品種名とせず、果重・可食率・TSSが別の指標である実例として読みます。
根拠・原資料:Chowdhuryほか(2022)|Morphological Study of Pummello Germplasm in Chattogram Region of Bangladesh




